やっぱり心配。子どもへの影響は?

「乳幼児は要注意」
夏の熱中症や冬の感染症など、ニュースや新聞でよく見聞きするフレーズですね。
子どもは大人より体重が軽く水分量が少なかったり、気道などが細く未発達なため重症化しやすいのだとか。

それでは、放射線についてはどうでしょうか。
一般的に、放射線の影響を受けやすいのは、細胞分裂が活発なところです。そのため、成長が著しく、細胞分裂が活発な子どもは、大人に比べて放射線の影響を受けやすいと言われています。
しかしながら、受けた放射線の量が100ミリシーベルト以下の場合の影響は、子どもでも大人でも自然から受ける放射線の影響に隠れてしまうほど小さいものだとされています。

福島第一原子力発電所事故が起きた福島県では、当時18歳以下だった県民に対して、甲状腺がんの検査を行っており、その検査で、甲状腺がんが見つかった方もいらっしゃいます。それでも、国内外の専門機関による報告書では、「放射線の被ばくによる影響でできたがんだとは、現時点で考えにくい」としています。なぜそう言えるのでしょうか。

まず、甲状腺がんは、進行が非常に遅く、健康に全く影響しないものが多いがんとして以前から知られています。そのため、甲状腺がんを持っていても、それ自体は生涯発症せず、別の疾患などで亡くなる方も多くいらっしゃいます。
また、近年、検査技術が進歩し、精度の高い機器が開発されるようになりました。現在、福島県で見つかっている甲状腺がんは、それらの精度の高い機器によって、今までがんであることに気づかずに過ごしていた方たちのがんが見つかったものだと考えられているからです。

 「がん」や「放射線」と聞くとこわいものという印象がありますが、どんなものにもリスクがあります。どの程度のリスクなのか、また大きなリスクであれば、それを減らすために何ができるか、リスクから目を背けずに、まず「知ろうとすること」が大切ではないでしょうか。



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