こんなところにも?身の回りの放射線

小学校に行って、「目には見えないけれど、ほんとうはあるものって、なーに?」と尋ねました。「空気」「酸素」「二酸化炭素!」「窒素!」。二酸化炭素や窒素と答えた子はちょっと得意げ。そして、賢そうな男の子は、「ウイルスだよ!」ともうちょっと得意げです。

私たちが生きていくための空気も、病気などの原因になるウイルスも目に見えません。そして、においもないため、そこに存在していることを意識しづらいですよね。もし、ウイルスを見ることができれば、インフルエンザや感染症が拡がることもぐっと減らせそうですね。

「目に見えない、においもない」。これは放射線も同じです。

東京電力・福島第一原子力発電所の事故によって、放射性物質が初めて私たちの身の回りに出てきたと思っている方もいるのではないでしょうか。

実は、放射性物質は地球誕生の時から存在しており、大地や海、空気の中にも自然の放射性物質が含まれています。さらに、宇宙からも宇宙線といわれる放射線が飛んできています。

私たちは、大地や宇宙からの放射線を体の外から受けています。また、食べ物や空気中に含まれる放射性物質を食事や呼吸で体の中に取り込んでいます。つまり、私たちの体の中にも、自然の放射性物質が存在しています。

こうした身の回りから受ける自然界の放射線を「自然放射線」と呼び、私たち日本人で1年間に一人あたり平均2.1ミリシーベルトの自然放射線を受けています。

大地に含まれる放射性物質の量は、場所によって大きく違います。日本では、自然の放射性物質を含んだ花崗岩が西日本に多いため、東日本より放射線量は少し高くなっています。また、海外には、日本よりも自然の放射線量が何倍も高い地域もありますが、その地域でも、私たちと同じようにごく普通に生活しています。

目に見えない放射線。昔から自然の中にあり、私たちと共存してきたものだと思うと、身近に感じられそうですね。



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